浙江林学院には日本語を学ぶ学生が居ます。
彼らは正確には、浙江林学院の外国語学院日本語科の学生です。
林学院を最初の語学留学先に選んだ理由の一つは、日本語科があることでした。
中国の大学の日本語科の学生は4年間の間に日本語検定1級を取得することを
目標としてます。日本語検定1級が日本への留学の前提条件になっていることが
多いからかもしれません。
日本語科と言っても、老師は主に中国人の先生で、日本人の老師は今は2名です。
日本人は正式な老師ではないので、林学院の老師一覧に載ることはありません。
私は日本人の老師お二人の授業をどちらも参観させていただき、
授業に熱心に取り組まれているのがよくわかりました。
日本語科の人数は1クラス30名、1学年2クラスの、計60名。
それを大雑把に4学年とすると、合計240名になります。
それに対し、臨安にいる日本人は、日本人の老師2名だけのようです。
その上、日本人留学生は今まで、1学期で多くて2名ですから、最大でも4名です。
日本人の多い杭州市の近くにありながら、林学院では日本人と直接会話する機会が
極端に少なく、日本語習得では大都市にくらべてハンデが大きいのが実情です。
そしてこの学校の傾向なのか、学生がかなり穏やかで、そのためか、
私に積極的にアプローチしてくるのも学生のごく一部でした。
※「私が魅力的ではないのでアプローチが少ないのだろう」というツッコミはなしで(笑)
もっとも、このような学生に接していると、こちらはかなり癒されるので、
日本に疲れた方には、林学院の日本語科の学生との交流は特にお勧めです(^^)
失くしてしまった大事な何かに気づくかもしれません。
それでは、図書館の日本語の蔵書はというと、まだまだ不足しています。
そのような環境でも、毎年多くの学生が日本語検定1級を取得しているようです。
林学院は大阪市住之江区にある相愛大学と交流があり、私と交流のあった学生が1名、
来年留学することになります。これ以外でも、筑波大学など各学生が直接日本の大学に
コンタクトを取って、留学を実現しているようです。
また、林学院の日本語科では、日本に拠点を置く中国人の段躍中さんが主宰する
「日本語作文コンクール」に積極的に参加し、コンスタントに結果を残しています。
この日本語作文コンクールでは、宋春婷(*1)が、第4回でニ等賞、第5回で一等賞
という、二年連続受賞(しかもランクアップ)の快挙を達成しています。

青島大学での表彰式にて、段躍中さんと記念撮影

書籍「中国への日本人の貢献」に載った写真
この作文コンクールのよい所は、各回の受賞作品が本となっていて、日本で購入できることです。
全国の一部の図書館でも入荷しているようです。
それに、日本語でのスピーチコンテストは多数あるのに比べ、日本語作文コンクールは
どうやらまだこの1つしかなく、日本人老師曰く、貴重なコンクールとのことです。
補足
段躍中:日本僑報社
http://jp.duan.jp/
中国人の日本語作文コンクール
http://duan.jp/jp/
*1:友人につき、敬称略
実は、日本で林学院の情報を集めていた時に、日本語作文コンクールの事を知り、
宋春婷の名前は事前に知っていました。
その後、林学院に着いて3日で、宋春婷と運よく知り合うことが出来、とてもラッキーでした。
すごく年下なのですが、臨安に来てから色々とお世話になってます。